酸素が身体に行き渡る原理

結合型酸素と溶解型酸素



私たちの肺から取り込まれた酸素の大半は、血中の赤血球に含まれるヘモグロビンと結合して全身に運ばれます。 この形の酸素を「結合型酸素」と呼びます。 「結合型酸素」は赤血球(7〜8μm)によって運ばれるため、それより細い毛細血管(約5μm)までは行き渡りにくい性質があります。 また、血中の赤血球の数は限られているため、「結合型酸素」として運ばれる酸素の量には限界があります。
原理1-1

一方、気体は気圧の高さに比例した量が液体に溶け込む性質があるため(ヘンリーの法則)、空気の気圧を上げると酸素はヘモグロビンと結合する分とは別に血液中に直接溶け込みます。 この形の酸素を「溶解型酸素」と呼びます。 「溶解型酸素」は赤血球の大きさに制限されないので、細い毛細血管へも十分に行き渡ります。 また、このときの酸素は血液だけでなくリンパ液や中枢神経液にも溶け込むので、身体のより広範囲な部位にまで酸素が行き渡ることになります。
原理1-2


酸素濃度調整による分圧の制御



空気中に含まれる気体は各気体ごとにその濃度に比例した圧力を持っています。 空気全体の気圧に対して各気体が占める圧力のことを分圧と呼びます。 分圧は空気全体の気圧×気体の濃度(モル分率)で表されます。 血中に溶け込む溶解型酸素の量は、空気中の酸素分圧に比例します。

通常の大気は約2割の酸素と約8割の窒素が含まれているので、1気圧のときの酸素分圧は約0.2、窒素分圧は約0.8になります。 この大気に酸素を注入して空気中の酸素の割合を上げてやると、酸素分圧が上がり窒素分圧が下がります。 たとえば、酸素濃度を35%に上げると酸素分圧は0.35に上がり、窒素分圧は0.65に下がります。酸素バーなどはこの方式によります。
原理2-1

さらに気体のを圧縮して気体全体の圧力を高めると、酸素分圧はより上昇します。 たとえば、酸素濃度を上げた気体を圧縮して気圧を1.2気圧に高めると、酸素分圧は通常大気の約2倍の0.42に上昇します。 このことにより、血液中により効率的に大量の酸素を溶かし込むことができるようになります。アプティック・ヘルスケアの酸素シャワーカプセルはこの方式によります。
原理2-2

一部の空気カプセルのように通常大気の圧力をそのまま高めると、酸素だけでなく窒素の分圧も上がるためにいわゆる「窒素酔い」と呼ばれる障害が起こる場合があります。
原理2-3

あらかじめ空気中の酸素濃度を上げておくと、その分窒素の濃度が下がって窒素分圧を抑えることができるので、「窒素酔い」を回避する効果もあります。


適切な気圧と酸素濃度のコントロール



ただし、気圧も酸素濃度もただ上げれば良いというものではありません。 気圧を上げすぎると鼓膜に悪影響が出る他、酸素以外の要素による弊害が出てきます。 また、酸素濃度を上げすぎると身体に有害な活性酸素が増えたり、酸素吸収のためにより身体に負担がかかることにもなります。
一般には気圧:約1.2気圧(通常大気の約1.2倍)、酸素濃度:30〜35%(通常大気の約1.5倍)が人体にとってベストといわれています。 アプティック・ヘルスケアの酸素シャワーカプセルは、人体にとって適度な気圧と濃度の酸素を提供いたします。
原理3-1

高濃度・高気圧酸素は身体にどんないいことがあるの…?